日本自動車部品工業会 有馬会長 就任のご挨拶

5月26日、通常総会後に実施しました理事会において新会長に有馬 浩二(ありま こうじ)氏が就任しました。
同日実施の記者会見では、正副会長全員が登壇し新役員体制を発表。有馬新会長のご挨拶をお知らせいたします。


 


≪新役員体制≫
役員名簿はこちら

― 2022年5月26日記者会見 会長就任にあたってのご挨拶 ―

■会長 有馬 浩二(株式会社デンソー 代表取締役社長)
この度、日本自動車部品工業会の会長を拝命いたしました。
80年以上続く、歴史ある部工会を率いる大役に、身の引き締まる思いであります。

また、今日まで部工会を力強く引っ張って頂いた尾堂前会長には、
心から敬意と感謝の意を表したいと思います。
グリーン、デジタル、レジリエンスなど、取り組むべき課題が鮮明になる一方で、
コロナ禍によって、“やりたいことがなかなかできない”、
もどかしい2年間であったかと思います。
その中でも、カーボンニュートラル部会を早期に立ち上げ、
自工会と協業し、サイバーセキュリティやBCPのガイドラインを即座に更新・展開するなど、
強いリーダーシップで、我々が進むべき道筋を示して頂きました。
尾堂前会長に作って頂いた流れや、諸先輩方が積み上げてこられた礎を大切にしながら、
時代の変化に適応し、大胆に、俊敏に舵取りをしてまいりたいと思います。

自動車部品業界の特徴は、
構成する企業の9割を、従業員300人未満の中小企業が占めている点かと思います。
部品業界の出荷額は、自動車産業全体の6割を占める35兆円、
雇用者数はカーメーカの20万人に対して67万人を擁する業界であり、
6,000社を超える中小企業が密接に関わり、支え合っている産業であります。

現時点、部工会の会員数は、Tier1を中心とする431社ですが、
自動車部品の各分野・各地域のリーダー企業ばかりです。
まずは部工会が果たすべき使命を、今一度強く認識し、会員企業とも対話を重ねながら、
部工会としての“強い意志”を持って行動してまいりたいと思います。

そのためには、3つの視点で、活動を推進してまいりたいと考えております。

一つ目は、自工会をはじめとする自動車5団体との連携強化です。
自動車が成長産業として日本に貢献し続ける道筋を、5団体と一緒に描くとともに、
カーメーカとの直接対話を通じて、中小企業の実態や本音を打ち上げたいと思います。
その上で、個社で取り組むべき課題と業界共通の課題を整理し、
自工会と部工会が協業するテーマや、部工会がリードする活動を明確にし、
メリハリをつけて取り組んでまいります。

二つ目は、Tier2以下との連携強化です。
会員以外の部品会社や素形材団体など、
中小企業との関係をさらに深め、現地現物で議論しながら、
自動車産業のサプライチェーン全体の本質課題に、
中小企業の皆さまとともに取り組んでまいります。

最後は、他業界との連携強化です。
クルマをより深く知り、活動を自動車産業全体に広げていくためには、
自動車を構成する部品のうち、部工会には属さない業界、
例えば、電子部品や半導体、電池に加え、タイヤやガラスなど、
他業界とのつながりも極めて重要です。
他業界にも関心を持ち、部工会にも関心を持って頂けるような関係を築き、
業界横断的な共通課題に、一緒に取り組んでいきたいと思います。
また、活動を加速するためには、政府や大学、教育機関との連携も非常に大切です。
産官学連携を高めることで、より広く大きなうねりを生み出していきたいと思います。

みんなで一緒に動くことで、多様な解決策を導き出し、スピード感を持って実行していく。
そうすることによって、会員企業には「部工会に入っていてよかった」と感じてもらい、
会員以外の企業や業界には「部工会と一緒にやってよかった」と言ってもらえるように、
部工会が汗をかきたいと思います。

部工会の強みは、様々な歴史や個性、独自のネットワークを持っている、
多様な集団であるということです。
副会長メンバーの皆さんとともに、部工会チームが一丸となり、
様々な課題に正面から取り組んでまいりたいと思います。

我々部品業界は、これからも、自動車産業への貢献を通じて、
今まで以上に、“なくてはならない存在”になれるよう、
日本のものづくりが、もっともっと強くなるように、全力を尽くす所存でございます。
引き続き、温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします。
以上でございます。ありがとうございました。